【出演情報】『加害者探求 —付録:謝罪文作成ガイド』

韓国現代戯曲ドラマリーディングⅩ『加害者探求—付録:謝罪文作成ガイド』に出演します。

『加害者探求‐付録:謝罪文作成ガイド』(2017年4月初演)
作:ク・ジャヘ
翻訳:洪明花
演出:西尾佳織
出演:石山蓮華 斉藤沙紀 辻村優子 中島愛子(張ち切れパンダ) 中西星羅 堀光太郎 山﨑千里佳
2021年1月29日(金)19:00
2021年1月31日(日)14:00 
31日 アフタートーク 西尾佳織×ク・ジャヘ(リモート参加)
チケット 1500円 全席自由 

※座席を半分にして上演します 


会場 座・高円寺1 https://za-koenji.jp/guide/index.html#link2


【稽古場から】

韓国現代演劇『加害者探求—付録:謝罪文作成ガイド』は、2017年、韓国の演劇界で #metoo 問題が浮上する前に芸術界のハラスメントをテーマにして作られた先進的な風刺作品です。

加害者たちの言葉から一冊の本を作るという本作には、頭の中で何度も響き続ける言葉がいくつも出てきます。これらの言葉は韓国の作家ク・ジャへさんから日本の芸術界への問いかけでもあると思います。


芸術業界に限らず、何かしらのルールや独特な慣習に触れ、その空気のなかで生きていると、すでに何かが起こっているのに気づかないことがあります。のちのち振り返って「あれはハラスメントに分類されるかも?」と思うことは誰の身にも起こります。

私がこの戯曲に興味を持ったきっかけは『82年生まれ、キム・ジヨン』をはじめとする韓国文学の数々や、韓国のアーティストであるイ・ランさんの歌に触れたことです。作品の面白さにのめり込むと共に、日本と韓国にある社会問題の共通点と、それに対して彼女たちがこんなにはっきりと怒りを持っていることにも驚きましたし、こういうことって、不満を持っても良かったんだというのも目からうろこでした。

公演まではあと5日。今日も朝から稽古場でああでもない、こうでもないと皆で話し合いながら作品と向きあっているとあっという間に時間が経っています。

私は稽古を通じて、加害者と被害者という二つの属性は、たとえ1人の人間であってもまだらで、切り離せないものなのかもしれないなと考えはじめました。きっと、本番を終えた後も考え続けるでしょう。


こんな状況の中でも、ぜひお届けしたい作品です。

くれぐれも、ご無理のない範囲で観劇をご検討いただけたらと思います。

劇場の座席を半分にして、できる限りの対策をしてお待ちしております。


石山蓮華より

【冒頭から・あらすじ】

加害に関する歴史を記録するこの書は、全て、自発的参加によって作成され、完成と同時に燃やされるものとする。作成それ自体に意味があると考えるためである。世の中のすべての芸術は詩性を持つ。よってこの書においては、芸術そのものを〈詩〉とし、芸術に携わる者は〈詩人〉、未だ〈詩人〉ではなく志望している者を〈習作生〉とし、芸術界を〈この世界〉と表記する。

この世界を記録するためにここに立つ。生来の狂人として生まれ、この世界で加害者になるしかなかった詩人たちが自ら記録し、自ら罰を下す、最初で最後の唯一の一冊……『加害者探求』。 


【劇作家 ク・ジャへさんについて】

ク・ジャヘ (구자혜 具滋慧)

劇作家兼演出家。2012年に自作の『ここは当然、劇場 theatre,definitely』を上演し、同名の劇団を創立。普段当たり前だと思い込んでいることに疑問を投げかけ、演劇のあり方を問い直す。同時代の社会的イシューを取り上げ、知的で鋭い言語を駆使する作家として注目されている。

演劇界の階層的構造や暴力を言及する『加害者探求—付録:謝罪文作成ガイド』や『タスマニアタイガー』、セウォル号事件聴聞会での証人や参考人の発言をもとにした『キリングタイム』など、加害者に焦点をあてたシリーズを連続して発表。

常に、倫理に基づいた再現、また、舞台上で俳優が発する言葉が劇場や人物同士の関係に限定されないよう“公的発話”について追求し、俳優と共に考案し続けている。


【演出 西尾佳織さんについて】

西尾佳織

劇作家・演出家、鳥公園主宰。1985年東京生まれ。幼少期をマレーシアで過ごす。

東京大学表象文化論科にて寺山修司を、東京藝術大学大学院音楽環境創造科にて太田省吾を研究。2007年に鳥公園を結成以降、全作品の脚本・演出を担当。

「正しさ」から外れながらも確かに存在するものたちに、少しトボケた角度から、柔らかな光を当てようと試みている。生理的感覚やモノの質感をそのままに手渡す言葉と、空間の持つ必然性に寄り添い、「存在してしまっていること」にどこまでも付き合う演出が特徴。東京を拠点にしつつ、様々な土地での滞在制作も積極的に行っている。

『カンロ』にて、『第58回岸田國士戯曲賞』最終候補作品にノミネート。


【チケット発売中】
座・高円寺チケットボックス
03-3223-7300(10時〜18時・月休)
窓口10時〜19時
https://za-koenji.jp/
日韓演劇交流センター
050-5327-9826(11時〜18時)

電線礼讃

石山蓮華 電線愛好家・文筆家・俳優・ラジオパーソナリティ お仕事のご相談はdensenraisan@gmail.comまでお気軽にご連絡ください。 頂いた内容は、マネジメント担当者と共有させていただく場合がございます。